【選考基準】「あなたが○○○のQAエンジニアだったら?」

この記事は Calendar for Akerun | Advent Calendar 2022 - Qiita の 23日目の記事です。

今回はフォトシンスでソフトウェアQAエンジニアをしている @yoheioka が担当します。 二年ぶり、二回目の登場です。

【1】はじめに

私がフォトシンスに入社したのは2020年の10月で、気づけば二年以上経過しておりました。 入社してから多くの業務を経験してきましたが、入社前に初めてフォトシンスを知ってから入社するまでのことも、覚えています。 会社に就職する上で避けては通れないイベント、それが面接です。本日は、この面接に関連したお話です。

私もフォトシンスに入社して半年程経過した頃から、ソフトウェアQAエンジニアの採用面接に同席させてもらうようになりました。 面接官として面接をしていて難しいと感じるのは「どんな質問をすれば十分に情報を引き出せるか?」という点です。

面接官は誰しも「落とすための質問ではなく、採用するための質問」をしていると思ってます。最初の頃はとりあえず思いついた質問事項をリストアップし、それを元に面接を行なっていましたが「採用に必要な情報を引き出せるだけの質問を十分にできてるのか?」という猜疑心が拭えませんでした。例えば質問が応募者のスキルや経験に関するものに偏って、他の要素については十分に質問できていなかったり。過去のことばかり質問して、未来のことを聞けていなかったり。

こういった反省から、質問には根拠が必要であると考えました。根拠を用意するために、まずは質問の軸から考え、それらの組み合わせによって質問の網羅性を高めることにしました。いかにもQAエンジニアらしい考え方ですよね。 考えた結果、用意した軸が次で紹介する二つです。

【2】質問の二つの軸

ここから二つの軸を紹介しますが、前提として、下記の基準はソフトウェアQAエンジニアの採用の基準としてソフトウェアQAエンジニアの選考担当である@yoheiokaが設定したもので、必ずしも会社の基準及び他職種の基準にも当てはまるわけではないことをご承知おきください。

「要件へのマッチ度」

一つ目の軸は「要件へのマッチ度」です。これは下記の三つの要素で構成されます。

  • 動機マッチ
  • カルチャーマッチ
  • スキルマッチ
1. 動機マッチ

これは「応募者の転職理由や仕事に対するモチベーションが、フォトシンスにマッチするか」等を見るための要素です。 入社後にギャップを感じて即モチベーション低下、という事態を避けるために面接で見ています。

2. カルチャーマッチ

これは「フォトシンスのカルチャーにマッチするか、または新しいカルチャーを持ち込んでくれるか」等を見るための要素です。 会社のミッションやマインドに対する共感から、組織のあり方や仕事の進め方に順応できるか等まで、幅広く見ています。 フォトシンスは成長途上の会社なので、ただ順応するだけではなく、会社が成長するために新しいカルチャーを持ち込んでくれる人だとより良いです。

3. スキルマッチ

これは「会社のやりたいことを実現するためのスキルを持っているか?」等を見るための要素です。 当然、その職種に期待される業務の遂行や成果を出せると見込めるスキルを持っていないと、採用は難しいです。 ただ、必ずしも即戦力だけを求めているわけではないため、仮にすぐの活躍は難しそうでも、中長期的にスキルが身につくポテンシャルはあると判断できれば、私としてはOKと判断しています。

「時制」

二つ目の軸は「時制」です。これは下記の三つの要素で構成されます。

  • 過去
  • 現在
  • 未来
1. 過去

これは「これまでにどんな経験をし、そこから何を学んだか? どんな結果を残したか?」等を知るためのものです。 実績や成果について、ふんだんに語ってほしいところです。

2. 現在

これは「現在のあなたはどんな人だと自己分析しているか?」等を知るためのものです。 例えば「今、どんな強みを持っているのか?」「今、何に興味があるのか?」等を聞いたりします。 今のあなたを教えてください。

3. 未来

これは「将来的に何を目指しているのか?」等を知るためのものです。 例えば、応募者が思い描く未来像とフォトシンスが思い描く未来像に、重なる部分があるかどうかを考えてます。

また、これら三つの要素をバランスよく聞きながら、過去→現在→未来のストーリーが成り立っているか?も気にしています。

「9パターンの質問」

上述の通り「要件へのマッチ度」の三要素と「時制」の三要素を掛け合わせると、全部で9パターンの質問ができます。 例えば「動機」に時制の三要素を掛け合わせた場合、下記の三つの質問を思いつきました。

  • 動機×過去:「これまでのキャリアを振り返って、自分自身のキャリアをどう思いますか?」
  • 動機×現在:「何故、開発者ではなく、QAエンジニアなんですか?」
  • 動機×未来:「10年後、20年後にどんな仕事をしていたいですか?」

1パターンにつき1つだけではなく、3〜5個程度の質問を用意しているため合計では30個以上の質問をリスト化してあります。 これら全てを毎回の面接で聞くことはできないため、面接の時、その場で聞いてみたいと思った質問事項をピックアップしています。 リスト外でも、その時思い浮かんだ質問をすることももちろんあります。

しかし、9パターンの質問をバランスよくすることを心がけるようになったことで、以前と比較して応募者のことを広く深く知ることができるようになったと感じています。

【3】選考基準

ここまで質問を構成する軸とその要素について話してきました。 この場ではこれ以上詳細な質問事項までは紹介できませんが、最後に一つだけ、私が重要視している質問事項を紹介したいと思います。

それは、

もしあなたが弊社で1人目のQAエンジニアだったら、まずは何からやりますか?

というものです。

弊社の場合、実際はすでに数名のQAエンジニアが在籍しているため、もし入社することになっても1人目となることはないです。 にも関わらずこのような質問をするのは、この質問への回答に、その人のQAエンジニアリングに関する思想が色濃く出ると考えるためです。

1人目として入社する。それは知らない土地を一人で開拓していくようなものです。 地図や看板は存在しないか、もしあっても読めないものです。その土地を、多くの人が暮らせるように開拓し、地図や看板も、誰もが読める言語で作り直していくことが求められます。詳細な指示は誰もしてくれず、ミッションだけが存在します。

あなたは、まず何からやりますか?


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