初めに
Akerun Advent Calendar 2023 3日目の記事です。
皆さんこんにちは。普段はAkerunコントローラー(Akerun Ctl)のファームウェア開発などをしているnaritakuです。皆さんAkerunコントローラーはご存知でしょうか?
Akerunコントローラーは既設の自動ドアなどの電子制御の扉をAkerun入退室管理システムの扉としてご利用いただける製品です。
Akerunコントローラーは、さまざまな種類の扉へ対応するためにいくつかの電気信号を出すことができます。 この特徴を活かして、本記事ではAkerunコントローラーの出力信号を受け取れるスマートプラグ用の外部回路を作成し、Akerunコントローラーのスマートプラグ化を行います。
注意事項
wifi経由で操作できるスマートプラグ は電気用品安全法の特定電気用品の対象になっており、販売には適合性検査を受ける必要があります。本記事で作成、紹介しているものは試験的に製造し、一般的な流通に置かれないもの1 になりこの対象には当たりません。2 とはいえ、安全に利用できることに越したことはないため、 「解釈別表第八に係わる遠隔操作」に関する報告書 など、関連する情報の把握に務め、安全に配慮した検証を心がけております。
作ってみる
世の中には素敵なモジュールが存在しています。 秋月電子のSSRキットをベースにいい感じに作っていきます。
組み立て手順書によると抵抗を付け替えればさまざまな電圧で制御できるようになるようです。
利用例の回路を元に必要なパーツを整理してから買い出しに行きます。
工作する
買ってきたパーツを出して
家にある配線などと混ぜながら、半田付け、組み立てをします。
Akerunコントローラーの設定、合鍵の変更はAkerun Connectから行います。
合鍵の設定や錠種別の設定をして(錠種別の設定は、通常扉との接続工事時に行われます3)
ライトを繋いでアプリから解錠リクエスト
光りました!
遠隔でのON/OFFも可能です4
回路の構成は異なりますが、アース付きのより大電流に耐えられるものも作りました。
こちらもコントローラーと接続すれば、スマートプラグとして利用できます。
最後に
今回はプロトタイプとしてスマートプラグを作成しました。
安全に配慮して検証しましたが、実際にお客様に使っていただけるようにするにはいくつか課題がありそうです。動くものを作ることでより具体的に考えられることが良いですね。
- ユースケースの違いからくるUIやファームウェアの対応
- オートロックなどの一部機能はAkerunコントローラーが錠から期待している信号を模擬しないと利用できず、外部回路が複雑になってしまう。
- 今回はAkerunコントローラーを既存のファームウェアのまま利用したが、つけっぱなし防止機能などスマートプラグ用カスタマイズで使い勝手も向上できそう。
- 製造、販売するためのハードル
- PSE法などの法令への適応や検査が必要。
とはいえAkerunコントローラーで制御できるものがまた一つ増えました。 フォトシンスの目指す、扉を起点としたデジタル化や空間の自由化に一歩近づくのではないでしょうか?
株式会社フォトシンスでは、一緒にプロダクトを成長させる様々なレイヤのエンジニアを募集しています。 photosynth.co.jp
Akerunにご興味のある方はこちらから akerun.com
- 電気用品安全法逐条解説より↩
- 今回の作業に資格は必要ないですが、第二種電気工事士の資格も持っています。↩
- Akerunコントローラーに対応していない外部回路の接続や、Akerun Connectからの合致しない鍵タイプへの設定変更は大変危険ですのでお控えください。↩
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遠隔操作のデモは、安全に配慮し近くに人がいる状態で実施しています。
IoTガイドライン等※1を解釈別表第八※2で合理的に活用するための解説などを参考に実施しました。↩