フォトシンス エンジニアブログ

株式会社Photosynth のテックブログです

受託開発とか自社開発とか言うけれど、会社のカルチャー違いや個人差の方が大きい。

この記事は Calendar for Akerun | Advent Calendar 2022 - Qiita の 19日目の記事です。 こんにちはyuyakmです。今回はEM目線での記事を投稿します。

弊社は自社サービス開発がやりたい!という動機で入社する方が多いです。新卒/中途どちらにおいても受託開発と自社開発でどちらが良いかと迷う方が多い印象ですので触れてみたいと思います。

前提

私のスタンス

  • 自社にサービスを開発・運営する組織があることを理想としている
  • 手放しで受託より自社開発が良いと聞くとそれは違うと言いたい
  • 部分的に開発を委託している立場でもある。委託領域もチームの一部

どのような組織を目指しているか

  • PMとエンジニアが1つのプロダクトチームとして日々コミュニケーションを取りながらプロダクトの成功のために協力している
  • 世の中にないものをつくることができる
  • 中長期目線を持ち継続的にサービスを育てる

参考 ユニコーン企業のひみつ www.oreilly.co.jp

参考 プロダクトマネジメントクライテリア - プロダクトをつくるチームのチェックリスト productmanagement-criteria.com

就職先としての受託開発 vs 自社開発

就職活動において、受託開発と自社開発は何かと比較されがちです。 例えば「受託開発はいろんな案件が経験できて良いけど仕様に口出しできないからつまらない」という話はよく聞きます。

就活目線での、自社サービス開発に対してよくある期待とズレ

仕様に対して口出しできる

こうした方が良いのではないかという提案ができるというのはYes。顧客も含めて不要だと思っているが仕様書に記載しているから検収のためだけに用意するというような請負特有の悲しい話も回避可能です。

口出しできる=全て自分の好きなようにできるという期待であればNo。全部好きにできるのは全ての責任を負う社長だけです。自分で起業して自分で資金調達するのが一番確実です。 社内でのキャリアパスとしては、プロダクトビジョンの実現と収益に責任を負うプロダクトマネージャーになるという選択肢もあります。

提案は、開発しているサービスが誰のどのような課題を解決するものなのかを理解した上で、技術的な背景を理解した立場として目的を達成できる方法を提案する流れだとうまくいくことが多いです。開発コストパフォーマンスや既存システムとの依存関係等を考慮することも求められます。 このような提案は受託でも求められていると思います。

自社プロダクトは納期を守らなくて良い

No。自社だからスケジュールの概念がないということはありません。 見込み顧客の要求スケジュールやアライアンスのスケジュール、製造委託先等の外部要因もありますし、完全に自社に閉じていたとしてもスケジュールの目標がないプロジェクトはありません。 受託よりも厳しい状況、例えば仕様を追加しても納期は変えられないという状況もあり得ます。例えば、会社のフェーズによってはPMFするための要求が判明したがバーンレートを考慮すると納期は変えられないという状況もあります。この場合はやるか解散するかの二択です。弊社も創業初期はそういうこともありました。

一方で、社内だからこそ関係者と方針を協議しやすいというのはあるかもしれません。開発プロジェクトは様々な不確実性があるので都度プロダクトマネージャーや事業責任者とリスクについて情報交換し、例えば開発スコープやスケジュールを変更することは理由次第で可能です。

自社サービスだからやりがいがある

Yesです。 自社サービスならではのやりがいの例

  • ローンチした後にユーザーからのFBや利用実態を見ることができる
  • CSやセールス等の他部門と会話することができる
  • プロダクトビジョンや事業成長を考慮して中長期のロードマップを描くことができる

一方で、チームや個人の状態によってNoとなってしまう可能性もあります。 Jiraに割り振られたチケットをリモートワークで処理するだけの毎日というようなことになると自社プロダクトであってもやりがいは感じにくくなります。

また、受託であっても社会的に意義があったり顧客が喜ぶ姿が見えるようなやりがいがあるプロジェクトも多くあるはずです。受託/自社云々よりも会社のカルチャーや自分の関わり方の方が影響が大きいと思います。

採用目線で考えを改めたこと

自社サービスの経験がないと自社サービス開発は難しいというのは誤りだった

自社サービスを開発するにあたって、中途採用においてはこれまでのバックグラウンドにおいて自社サービスの経験がないと難しいのではないかと考えていた時期がありました。しかし、様々なバックグラウンドを持つ方が入社して活躍するのを見た結果考えを改めました。むしろ、受託開発バックグラウンドしかなかったエンジニアも多数リーダーシップを発揮して活躍しています。 結局のところ個人差の方が大きいと感じたポイントです。

例えばこのようなマインドがあるかどうかは前職の業態は関係ないのでは

  • 技術が好き。技術を主体的に学んで何ができるか提案する
  • 専門外の技術があったとしても領域横断で課題を解決しにいく
  • プロダクトビジョン観点での課題を提起して中長期的な設計に取り入れる
  • 属人化しないように設計や手順をドキュメント化する
  • プロダクトやチームの課題を見つけて解決しようとする

「受託やってたから言われたことしかやらない」というのはステレオタイプなイメージです。むしろ受託をやっている会社の方が、クライアントから次の案件をもらうために課題提起や解決策の提案を行っており課題を見つけて提案する姿勢が強いというパターンもあります。

さいごに

受託開発と自社開発の違いについて考えることを書きました。結論としては、受託開発か自社開発かどうかではなく会社と各個人のカルチャーフィットの方が差が大きいのではないかと考えています。 就職先の候補を見つけた際は、カジュアル面談等で相互理解するための時間を十分に取ると良いと思います。


株式会社フォトシンスでは、一緒にプロダクトを成長させる様々なレイヤのエンジニアを募集しています。 photosynth.co.jp

オフィス運営やシェアスペース運営、賃貸住宅の物件管理をお考えの際はAkerunにお気軽にご相談ください。 akerun.com