フォトシンスの@hiroaki_naberunです。
こちらはAkerun Advent Calendar24日目の記事です。 プロダクト部門を管轄しているということで、エンジニアでありませんがアドベントカレンダーに参加させてもらってます。
『未来都市』や『ハードウェアのシリコンバレー』などの輝かしい枕詞と共に語られる中国・広東省・深圳市に先週行ってきた感想を書こうと思います。
ざっくり深センについて
深センは香港のお隣で、日本からは直行便で成田からの直行便が1日1便出ており、フライト時間はわずか4時間半!非常に日本から近い!
安く行くならば香港行きのLCC「香港エクスプレス」で往復2万円ぐらいで香港に行ってからフェリー乗り継ぎがリーズナブルです。
香港との位置関係はこんな感じです。
珠江デルタ(しゅこうデルタ)あるいは珠江三角洲(しゅこうさんかくす、珠三角、ピン音: Zhūjiāng Sānjiǎozhōu、英語: Pearl River Delta)は、中国珠江河口の広州、香港、深圳市、東莞市、マカオを結ぶ三角地帯を中心とする地域の呼称である。 世界最大の都市圏で、都市圏人口は7,342万人である。(Wikipediaより)
深センはわずか30年前は小さな漁村だったという話がありますが、立地を考えると都市として発展するのは必然だったのかなとも思いました。
未来都市体験
未来都市と語られることのある深センに行ってみて感じた未来都市体験をご紹介したいと思います。 超絶スマホ社会&キャッシュレス社会だなと感じました。
どのお店でもWechat, Alipay払いが基本
店員が専用端末またはスマートフォンで支払いをします。旅行客が現金払いをして、お釣りがなく店舗側が困っている事態もありました。 現地に住んでいる日本人の方に聞いたところ、5年間現金を見たことがないそうです...!
ちなみにVISA、Mastercardなどの国際クレジットカードも利用できませんm( )m(なんて自分勝手な国なんだ)
幸いAlipayがTourPassという機能をリリースして、今までは中国国内の銀行口座からしかチャージできなかったものが、国際クレジットカードブランドからチャージ可能になり大きな問題はなかったものの、Alipayが使えなかったらと思うとゾッとします。
キャッシュレスなのでレジすらない
中国最大のコーヒーチェーン「Luckin Coffee」はレジがなく、全てスマートフォンアプリからオーダーとなります。
しかも3杯以上オーダーすると最寄りの店舗でデリバリーしてくれるので、同僚でコーヒー飲みたい人と一緒にコーヒーを頼めば店舗にわざわざ行く必要もありません。
他には街中の至るところで「美団外卖」というデリバリーサービスのジャケットを羽織ったおじさんを見かけます。
1食300-400円に対してデリバリーは+100円弱という金額です。
UberEats中国版と思ってもらえれば分かりますが、日本で一番UberEatsの自転車を見かける港区の10倍ぐらいの規模で見かけた気がします。
現地の企業の人に聞いたところ、高層ビル勤務なビジネスパーソンが多く、昼時になると自分のフロアにデリバリーを呼ぶそうです。
配車アプリのDiDiも充実しています。
町中で呼べばだいたい5分ぐらいで配車されます。
ドライバーは基本的に英語が通じないので、地図で指定したところに確実に届けてくれるDiDiの存在はめちゃありがたかったです。
すべて中国ベンチャーのサービスというのは気になりますが
深セン滞在中、勝手の分からない街にも関わらず移動も食事もコーヒーブレイクすらアプリ1つで完結してしまうのはめちゃめちゃ便利でした。
日本では人件費が高くて、UberEatsは割高感があったりしますが中国では都市部で働いている人の年収に対してデリバリーサービスが安いので成り立っている状態だなと思います。
この辺りは日本では成立しなく、自動運転の発展などでデリバリーのコストが下がればあり得る世界なのかなと思います。
深センは未来都市なのか?
優れたテクノロジーとは普及コストと提供機能とユーザー体験のバランス
深センでひらすらQRコード決済をしたあとに日本で数日生活してみて、明らかに普段日本で使っているSuica払いの方が支払い体験が正直良かったです。
中国で顔認証が普及し始めている話がありましたが、現在はまだまだQRコードが基本。オフィスでセキュリティの高い一部の企業が顔認証を導入しているのを見かけた程度でした。
普段私たちは支払い体験が最も良いものを求めがちですが、中国で普及しているQRコード決済はどのお店でもすぐにQRコード決済を始められる店舗側導入コストの低さが勝因であり、サービス特性毎のKSFの見極めの重要さを改めて感じました。
日本は課題先進国
深センでは年7-8%程度の人件費の高騰が起き続けているそうです。こうなると当たり前に使っているデリバリーが今ほどリーズナブルに使い勝手良く頼めない可能性があります。
何人かの現地のビジネスパーソンと話をしましたが、掃除の自動化も自動車の自動運転もややピンとこない感覚を持っていて、誰かにその仕事をやらせればいいじゃんという人手不足や労働力確保の課題に気付けていない人がまだまだいたことが印象的でした。
一方で、最近では「996」の炎上問題が中国で起きました。
996とは「朝9時から夜9時まで、週に6日間働く」の意味で中国のIT企業の勤務形態を表現しているらしいのだけど、これに異を唱えた若者の動画が炎上したらしい...
現在は労働法に関してはかなり緩いらしいが、日本的な働き方改革がいつ起きてもおかしくないかもしれない。
日本での人手不足対策や労働環境の是正対策の方が未来の都市を表している可能性もあるなと思いました。
最後に
「ハードウェアのシリコンバレー」と呼ばれる所以も垣間見ることができました。
ハードウェア特化のアクセラレーターの存在・・・ハードウェア技術者の協力支援や小ロットの製造支援機能まで持っている!
小ロット対応のEMS工場・・・月産100~1,000ロット、場合によってはもっと小ロットでも対応してくれる工場が存在!しかも人件費が日本の1/10だったり、ODMに対応してくれる工場が多数!
華橋北・・・1万店舗以上の電気店・パーツ問屋が存在すると言われ、ODM商品も簡単に入手可能!(本当に使える試作部品を仕入れることができるかは、エンジニアではないので判断付きませんでしたが...)
という3つの機能は素晴らしいな思いまして、こちらも機会があればどこかで紹介したいと思います。
そんな未来都市に出張チャンスもあるフォトシンスでは様々なポジションでエンジニアを募集しております。