そして次のIoTが始まるのです / Akerun Advent Calendar 最終日
この記事はAkerun Advent Calendar 最終日の記事です!
最後の担当はフォトシンスCTOであるkazuphが担当します。
IoTやりたいなぁって漠然と考えている人たちに読んでもらえたらいいなぁと思います。
IoTってなんだよ?からIoTが普通の世の中になってきた
僕達がAkerunというものをつくり始めたとき、まだ世の中ではIoTという言葉は全然浸透してませんでした。
2014年の9月に起業したのですが、そのときくらいに前職の同僚から「もののインターネットだね」と言われて「なにそれ?」って思ったのがきっかけで、調べたら自分たちのようなハードウェアをインターネットにつなげるようなそういう製品のこととIoTと呼んでいるようでした。
そのあと各社が「いやIoTじゃなくて◯◯◯だ」といくつかの似たような言葉が生まれたのですが、今は全然聞かないのと、自分たちと話をしてくれる大手の会社の人たちや周りのベンチャーとかでも特にIoT以外の単語を使ってないし、IoTという言葉自体に対するバズワードだとバカにしたようなニュアンスももう全然ありません。
最近話を聞く人からも「IoTやりたいんですよねぇ」って感じなので、こういうインターネットにつながるハードって意味だと、今現在最もふさわしい呼び方はIoTなのかなと。
あくまで自分の観測範囲だけかもですが、IoTという言葉は一般化したと言っていいかなと思います。
IoTって言葉がある前からあるIoT製品達
「IoTって言葉が流行っているけど、それならうちは10年前からIoTやっていたよ」 みたいな話はよく聞きます。いわゆるユビキタス方面からのものもありますが、 昔から稼働している業務システムなんかでもそうです。
それの代表がプリンターのインクがなくなると勝手に交換してくれるやつ。 管理目線だとすごく便利ですよね?
あと、コンビニにあるネットプリントも僕が就活しているときにはすでにあったので、 5年以上は前の技術ですよね。
これってれっきとしたIoTですが、当時はできて当たり前みたいな感じもありました。 パソコンがネットにつながるのはもっと前から当たり前ですが、プリンターもその延長と見られていたのかもしれませんね。
僕から見ればものすごい大先輩です。
インターネットに間接的につながることも含めてのIoT
Akerunをつくり始めた当初、
「Akerun自体がインターネットにつながるわけではないから、AkerunはIoTではないのでは?」
みたいな話が良くメンバーから上がりました。
「確かに」という思いと、「間接的でもインターネットにつながっているわけだからIoTでいいのでは?」みたいな意見も持っていました。
この辺はもう誰がIoTという言葉を管理しているのか?みたいな感じになってくるのですが、 IoTという言葉が普及できたのも、Akerunというハードウェアがインターネットにつながることになったのも 全部Bluetooth Low Energy(BLE)という技術が登場して、スマホやゲートウェイデバイスとつながることで、インターネットに間接的につながることが可能になったからでした。
BLEは今でもうちの基盤技術ですし、今後もウォッチしていくべき対象です。
それは、電池駆動のハードウェアをつくる場合において絶対的に無視できない存在だからです。
少なくともBLEの存在がIoT加速させたことは間違いないと思います。
IoTの次を担う通信技術
ただそろそろLow Power Wide Area(LPWA)という新しい規格も市場に出てこようとしています。 安価で小型なWi-Fiや3G/LTEモジュールが出てきている一方、省電力化の解決までには至っていませんでした。 LPWAは省電力かつ超広範囲(数キロレベル)でインターネットに接続できる通信技術です。
LPWAの一つであればsigfoxという基地局に直接つながる規格もありますので、これがあれば省電力駆動だけど、直接インターネットに繋がれるものすごい小型なデバイスも作成可能です(ただし本当に少量のデータ通信のみカバー)。
なので、今後はBLEのウォッチはするがLPWAも合わせて見る必要があるかなと思っています。
IoTの始めやすさ
IoTをするための技術が一般のエンジニアの手の届く範囲になったということが、 一番大きな変化だったと思っています。
- 安価で柔軟にハードウェアの試作ができる3Dプリンターの存在と、3Dプリンター自体が安価になったこと
- 省電力で長時間駆動できる無線通信技術(BLEなど)が数百円のチップとして登場し開発ボードも千円〜1万程度と安価、開発環境もだいぶモダンになったこと(Arduino, mbed, Raspberry Pi、Nordic)
- スタートアップのためにラインを分けてくれる元大手企業請負の工場の存在(うちはここで困らなかったのが大きい)
- 3G/LTEなどの通信量の価格の低下、IoT用の料金プランなどの新設
- 大手の社員流出
- IoTに投資をしたいVCの急増
- 量産資金を獲得できるクラウドファウンディングの存在
安く始められる技術と資金がある。やっと普通のITベンチャーくらいの規模でスタートできるようになりました(とはいえ量産は…)。
IoTは万能、ではない
IoTをやろう!から発想すると、全然おもしろいことが思いつきません。
やはり課題が重要です。それを解決する方法としてIoTがマッチするならそのとき始めてIoTをやりましょう。
課題型じゃないならよほどVRやドローンの方が発想が広がると思います(娯楽コンテンツの方で発想の拡大が利くので!!)。
IoTは難しい
普通のIT系の製品よりも格段につくるのが難しくなります。
ハードウェアもソフトウェアもというのもあるし、会社として在庫を抱えたり、資金が先に出たり、 必然的にエンジニアの数が多くなったり、、、
またビジネスも既存のモデルにないものなので、攻め方が難しくなります(ITだと月額だけだが、ハードがある分初期費用がほしいが、それだとコンバージョン減りそう、だけどバランスがわからんみたいな・・・)。
それでもIoTは楽しい!
今までやってきたソフトだけ、ハードだけの製品よりも圧倒的に楽しいがIoTです。
何が楽しいかというと「今までなかったものをつっている!」という部分です。
誰しも似たようなものをつくのことに対してはモチベーションが上がらないと思います。
IoTなら全く新しものをつくれる可能性があります。
今までやったことのない新しい領域に飛び込むのならIoTが一番楽しいと思います。
ビジネスもエンジニアリングも。
今後のフォトシンス
フォトシンスという社名にあるように、うちはスマートロックAkerunだけを見据えて会社ではありません。 プラットフォームになることがあるかはわかりませんが、今後も自分たちの解決したい問題をIoTで解決していればと思います。
そして、次のIoTが始まるのです。
Akerunをつくっている株式会社フォトシンスでは、次のをIoTを一緒につくってくれる、エンジニアを募集しています! www.wantedly.com
Akerun Developersサイトもやってます。Akerun APIについては、こちらをご覧ください。 photosynth-inc.github.io
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